2008年3月6日木曜日

山百合迷路? 前

姉妹DE連想ゲーム。
黄薔薇のつぼみと由乃さんはいつもベタベタ親戚姉妹。
私…祐巳と祥子お姉さまの姉妹は、自分で言うのもなんだが毎回試練を乗り越え絆が深まる仲良し姉妹。
お姉さまや令さまと薔薇さまがたの姉妹は、とても仲良しで羨ましいぐらいいい姉妹だ。
そして残りのしんがり白薔薇姉妹といえば、放任主義でぱっとみ互いのことはあまり関わらない姉妹。本当は心の繋がりは半端ないものだって、最近なんとなく分かってきたけど、やっぱりよく分からない姉妹代表ぐらいにはなるんじゃないかな。
で、そんな連想を思い起こすような白薔薇姉妹…のはずなのに、今日祐巳が薔薇の館のビスケット扉を開けた先にあったこの光景はいったいなんぞや?
「志ー摩子っ」
「ちょ、お姉さま…!?」
「やっ、わが妹ながらこの可愛さは何なの?西洋人形のようでマリア様のようで…可愛いなぁ志摩子」
「お、お姉さま…あの、ほら、もうそろそろ他の方もいらっしゃいますから…」
「いいーじゃーん、私が志摩子を可愛いから大好きなだけからー。ありのままの私を見てー」
「何言ってるんですか勘弁してくださいお姉さま…ってゆ、祐巳…さん」
「お、祐巳ちゃんやほー」
えーと…?
まあ、あれだ。とりあえずどうしようか。
「ご、ごきげんよう…志摩子さん、白薔薇さま…?」
やっぱ、ご挨拶でしょうか?

※※※

その後羞恥でかどうでだか顔が真っ赤な志摩子さんは持てる限りの力をだして抱き付いていたセクハラ姉から逃れると祐巳を連れて、乱暴な下り方で階段を駆けていった。そして薔薇の館の玄関扉を閉めて、白薔薇さまが出られないように扉の前に立ちふさがるとようやく安堵の溜め息をついた。
「えーと志摩子さん、大丈夫?」
「え、ええ…だ、いじょうぶ、よ…私は」
ということは大丈夫じゃない人が志摩子さんの代わりにいるわけだ。さっきの光景を見れば誰だかは分かるけど。
「こんなところで二人とも何してるの?」
その声は、と振り返れば、紅薔薇さまが立っていた。遠くからは黄薔薇ファミリーが勢揃いしているのがみえる。
「紅薔薇さま…ごきげんよう」
まだ少し引きつった笑みを浮かべながら志摩子さんが先に挨拶をした。続けて祐巳もご挨拶をする。
「ほら、とりあえず中に入りましょうよ。風邪、引いちゃうわよ?」
紅薔薇さまの優しい言葉も、今の志摩子さんにとっては残酷なものだ。志摩子さんは必死な顔で思い切り首を横に振った。扉の取っ手をしっかりと掴んで、絶対に放さないぞって意思表示までしてる。
だけど事情を知らない紅薔薇さまはそんな志摩子さんの態度の意味を理解する事なく、志摩子さんを人形のようにむんずと掴むと脇に寄せて扉を開けた。ちょっと、強引過ぎじゃないですかね紅薔薇さま。
「見ないでくださいー…っ」
なんて志摩子さんの叫びもむなしく、紅薔薇は二階へ上っていき…
「志ー摩ー子ー大好きだっ」
「うわあっ、聖!?」
「あ、蓉子だった」
なんて声が一階に響いてきました。紅薔薇さま、ご愁傷様です。

※※※

「…で、志摩子には何故聖がそんな風になってしまったか心当たりはないの?」
呆れかえってる紅薔薇さまが言ったそんな風に、っていうのは聖さまが志摩子さんを膝にのせてさっきから抱き付いてる風なんだけど。
「それが、その」
「志摩子好きー」
「黙っててくださいお姉さま」
あ、結構志摩子さんの白薔薇さまの扱いが雑なものになってきてる。けれど白薔薇さまたらめげずに志摩子さんを抱き直したりして、大好きオーラ全開だ。
「今日、お姉さまが風邪気味で調子悪いと聞いたので早く帰るよう申し立てたんですが、妙に駄々をこねられまして…」
「でも風邪くらいなら何回かひいてるのをみてるけど、こんな風にはなってなかったわよ」
付き合いが長いのだろう、黄薔薇さまが証言する。ていうかものすごく目をきらめかせてるんですけど、黄薔薇さま。友人の心配というより"面白そうな事みっけ!"て思ってるのが顔に書いてあります。
「いえ多分、私が原因なんです。その後、帰らないと言い張られたので、お姉さまの分もお茶をいれたら…その、足を滑らせてお姉さまにいれたてのお茶を顔面にかけたうえに一緒に転んで頭を強打させてしまって…」
志摩子さんが申し訳なさそうに後ろの白薔薇さまをちらりと見た。後ろにいる彼女は今までの面影なく幸せそうに微笑んでいる。
しかしまぁ、なかなか壮絶な事実。実際やられたらかなり痛いはず。そんなことがあれば白薔薇さまの頭のネジの一つや二つ、緩んだり飛んでったりもするだろう。周りの人達も白薔薇さまに同情の視線を投げかけている。
「どうしましょうか…」
頬擦りされながら志摩子さんは呟いた。別に危害があるわけではないけど、やっぱりこのままでは気持ち悪い、かなり気持ち悪い。
確かにもうちょっとこの姉妹はベタベタするべきだと考えた事はありますが。理想と現実の差は厳しいものだってよくわかった。だって
「志摩子大好き志摩子ホォーリンラヴ…!」
なんてはっちゃけながらのたまう白薔薇さま、見てるだけで勝手に涙がでてきてしまう。
「でも、どうしたらいいんでしょうか。やっぱり病院とかに行った方が…」
志摩子さんが提案を出しかけたとき、突然祐巳の上になにかが覆いかぶさってきた。

※※※

中途半端ながらここで切らせてもらいます。何故ならこのままだとオチが入りきらなそうだから。いやオチさえあるのか?きっとある信じればそこそこ救われます。

多分、多分、多分後編はサイトが作り終えたら載せます。サイトよりも先に後編が完成したら、ここに載せます。終わるか?終わるのか自分?

あと蓉子さんが普通に聖と呼んでるのは一応卒業式が近いから…という逃げ道がありました。そこに逃げ込みます。

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